喪中はがきを書いた。
薄墨の色を作るのに少々苦労した。
慶弔事に関して、全く疎いことを実感するこの頃である。
妻のお父さんが亡くなって、はや1月が過ぎた。
喪中はがきを作成した。
文字の色は薄墨で書くのだそうだ。
薄墨という単語さえも知らなかった。
なぜ薄墨という色を使うのかも知らなかった。
「昔じぃじぃが教えてくれたよ、『悲しみの涙で墨が滲んでしまうんだよ。』って。」
亡くなった義父から聞いた話を、妻が教えてくれた。
妻が涙を流した。
「悲しくなっちゃうね。」と声をかけた。
妻をそっと抱き寄せ、背中をポンポンと叩いた。
こんな僕でも少しは役に立つようだ、と思った。
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