アピタでタンボーラ

先日の「コーヒーとギターの時間」での出来事。

僕はそれなりに緊張するので弾き始めは「大好きな曲で簡単と思える曲」を弾くようにしています。
それにドンピシャなのが、佐藤弘和さんの「思い出」、「昔の歌」、「風の間奏曲」です。
大抵この並びで弾き始めると落ち着くことができます。

アピタでは休憩を取らせていただきながら3部構成で弾かせていただいています。

3部で佐藤さんの「シンプル・ソング No.3」と「シンプル・ソング No.6」を弾きました。
「シンプル・ソング No.3」はアルペジオの練習曲で、ホ短調でとてもドラマチックでメロディアスな曲。
「シンプル・ソング No.6」は「フルコードを弾こう」と言うテーマの曲なんですが、途中でタンボーラが出てきます。
タンボーラはギターの弦を叩いて、ギターの弦の音とボディーの太鼓のような音をミックスして演奏する技法なんです。

数年前からギターのマイクを製作しているんですが、この「タンボーラ」にすごく苦戦していました。
ピエゾではそれなりの音になるんですが、コンデンサーマイクだと音がボコボコいうんですね。

で、アピタでの演奏にもどって「シンプル・ソング No.6」を弾いているとき、タンボーラの個所で弦を叩くとあの嫌な「ボコッ!!」と言う音が聴こえました。

「あららぁ、だいぶ良くなったはずなのにまだこんな感じかぁ…ダメじゃぁん。」と思いながら…同時にディーディーの顔が浮かんできました。

考えてみれば、僕がマイクの実験をしているとディーディーは必ずそばにいました。
上手く行かずイライラしている時も、たまに上手く行って喜んでいる時も。

ディーディーは佐藤弘和さんの曲を弾くと気持ちよさそうに眠って聴いていました。

斎場に行く時に、車の中で僕が弾いている「たそがれ」と「北風のワルツ」を流して聴かせてあげました。

いろんなことを思い出して、弾きながら涙が出てきました、公衆の面前なのに…。
(お客さんには見えていないと思いますが…。)

そんな気持ちがわいてきたんですけど、演奏は止められません。
タンボーラはいつもよりネック寄りでたたいて、ディーディーの背中を「ポン」と叩くように優しく鳴らしました。
マイクの不調もありますが、僕の弾き方も、気持ちも、通常のタンボーラの音ではなかったと思います。
ギター弾ける人が聴いたら「おかしなタンボーラ」でしょうけど、僕にとっては最高のタンボーラでした。

ディーディーがいなくなってから「たそがれ」と「北風のワルツ」を弾くことができません。

奥さんは「シェリーに聴かせてあげりん、ディーディーも喜ぶよ。ディーディーは弾いてほしいと思っとると思うよ。」と言ってくれるんですが…。

アピタでは最後に「素朴な歌」を弾きました。
この曲もディーディーは大好きでした。
気持ちよくなるみたいで、すぐに寝ちゃいました。

ディーディー、演奏を助けてくれてありがとうね。
これからも僕のギター聴いててね!!

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