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ひとり言

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今日のレッスンでの出来事。
5月からレッスンに通い始めた T君は、現在ホルストのジュピター(江部賢一編曲)を練習している。
普段は Y社のテキストで譜面を眺めながら練習しているが、この曲が大好きでお母さんに買ってもらった。
秋の弟子たちライブに向けて猛練習している様子。

だが、ハイポジションは出てくるし、イヤな押さえ方は出てくるし、彼にとっては相当難曲である。
TAB 譜がついているので、それを見ながらがんばっている。
それでも、混乱するらしく・・・
「ちゃんと先生に指使いとか聞きなさい、昨日泣きながら練習しとったじゃん。」とお母さん。

自分でも難しい箇所とか理解は出来ているのだろうが、何を聞いていいのか、とにかく混乱している様子。
とりあえずは、「運指をきっちり決めてしまおう。」と思い、なんやかんやと説明する。

そして、レッスンが終わる頃・・・。
「T 君、キミすごいなぁ。この曲、相当難しいよね。」と言いながら、運指を見せようと、ボクが一度弾いてみる。
TAB 譜付きの譜面ってどうしても音符が小さくなりがちで、老眼のボクが弾くには辛い。
瞬きも出来ない中、弾き終えた。
そして、T 君を見ると・・・顔を紅潮させて涙がこぼれていた。

その涙は、くやしさと「なんで、ボクは弾けないんだろう・・・。」と言う表情に満ちていた。

「しまった、弾いちゃいかんかったかなぁ。」と一瞬思ったが、これも乗り越えるべき壁だ、と思うことにした。

「T 君、ボクはこれでも 30年以上ギターを弾いているんだよ、キミの年齢の 2.5 倍以上もだよ。それだけ長い間弾いていれば、これくらいは弾けるよ。」と慰めと励ましの気持ちを込めて声をかけた。

こんなに一生懸命に練習してくれて、さぞかしホルストさんも江部さんも喜んでいるのではないだろうか?
ここまで「弾きたい!!」と強く思う子に久しぶりに出会った気がする。
レッスン中の嬉しいハプニングだった。


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