監督・脚本 ドロタ・ケンジェジャフスカ
撮影 アルトゥル・ラインハルト
音楽 ヴウォデク・パヴリク
編集 ドロタ・ケンジェジャフスカ、アルトゥル・ラインハルト
音声 マルチン・カシンスキ、カツペル・ハビシャク、ラインハルト・ステルガル
美術 アルビナ・バランスカ、アルトゥル・ラインハルト
衣裳 カタジナ・モラフスカ
プロデューサー ピョトル・ミクラシェフスキ、アルトゥル・ラインハルト
製作 キッド・フィルム/タンデム・タレン・トゥー/テレビ・ポーランド
共同製作 ポーランド映画芸術インスティトゥート
製作年 2007年
製作国 ポーランド
原題 Pora umierac
上映時間 104分
配給 パイオニア映画シネマデスク
後援 ポーランド大使館
宣伝協力 アルシネテラン
出演
アニェラ ダヌタ・シャフラルスカ
息子 クシシュトフ・グロビシュ
孫娘 パトルィツィヤ・シェフチク
ドストエフスキー カミル・ビタウ
しつこい男 ロベルト・トマシェフスキ
公証人 ヴィトルト・カチャノフスキ
医師 マウゴジャタ・ロジニャトフスカ
娘 アグニェシュカ・ポトシャドリク
今週もシネマイーラへ出かける。
今日の映画は「木漏れ日の中で」。
とても奇麗なモノクロ映画だった。
ワルシャワ郊外の緑に囲まれた木造の古い屋敷、91歳になるアニェラは、戦前に両親が建てたその家で生まれ、成長し、恋をし、夫と暮らし、一人息子ヴィトゥシュを育ててきた。夫はとうに他界し、息子も結婚して家を出ていた。共産主義時代に政府から強制された間借人もようやく出ていき、アニェラは今、その家で愛犬フィラデルフィアと静かに暮らしていた。彼女は息子とその家族がその家で同居してくれることを願っていたが、市街で暮らす息子夫妻にも孫娘にもそんな考えはまるでなかった。息子は年に数回、孫娘を連れて顔を見せに来たが、アニェラは嫁と折り合いが悪く、滅多に顔を見ることもなかった。
一日中ほとんど家にいるアニェラの日課は、双眼鏡で両隣の家を覗くことだった。片方の家は週末だけ主人がやってくる成金の愛人宅か何かのようで、アニェラはその家の住人たちが嫌いだった。もう片方は若いカップルが開いている子供たちのための音楽クラブで、楽器の練習や子どもたちの声で毎日騒々しい。しかし、アニェラは子どもたちに愛情を注ぐカップルに好感を持っており、元気な子供たちの姿は息子の小さい頃を思い出させてもくれた。だが、カップルはどうやら、その場所をクラブのために使えなくなるようなトラブルを抱えていた。
ある日、金持ちの方の隣人の使いを名乗る男がやってきて、アニェラに対し唐突に家を売って欲しいと言い出す。アニェラは破格で買い取るという申し出をあっさりと断って男を追い返すが、隣人はその後もしつこく電話を掛けてきては家を売るように迫るのだった。
アニェラはこのところ体調に不安を抱えていた。物忘れはひどくなり、突然めまいに襲われることもしばしばだった。彼女は自分の人生があまり長くないことを察していた。アニェラにとって唯一の気がかりは、美しい思い出をたくさん与えてくれた、彼女の人生そのものでもある家のことだった。だが、彼女が元気なうちにその家から出ていくことなど考えられなかった。
アニェラはもう一度息子一家を説得しようと、8歳になる孫娘にその家に住む気はないかと尋ねるが、過保護に育てられた孫娘は祖母に対する思いやりのかけらもない。「修復するより燃やしちゃえば?」と言い放つばかりか、家よりも指輪が欲しいとねだる始末だった。さらに、その夜、アニェラは信じていた息子のヴィトゥシュが、何の断りもなく、隣人宅で彼女名義のその家を売る相談をしているのを目撃して愕然とする。さらに驚いたのは同席していた嫁が、身勝手なヴィトゥシュの行為を非難していることだった。
ショックを受け、何もかも嫌になったアニェラは、自ら命を絶つことさえ考えたが、あっさり思い直し、翌日大胆な行動に出る。彼女は音楽クラブを開いている隣人宅へ向かうと若いカップルにある提案をする。それは、2階に自分が住み続けることを条件に、家を彼らのクラブに寄贈するというものだった。カップルは大喜びでその提案に応じ、すぐに公証人が公正証書を作成した。アニェラはピアノの置いてあった床下に長い間隠してあった高級な宝石類も、家の修復代に充てるようにと差し出してしまう。彼女が息子の家族に残そうとしたのは、息子の妻への指輪ただ一つだけだった。
やがて、修復された家が優しい木洩れ日に包まれる中、家中に音楽クラブの子どもたちの元気な声が響き渡った。
アニェラにはもう思い残すことは何もなかった・・・。
とても奇麗な映像だった。
部分的にでもカラーで見たくなるような気もしたが、モノクロームだからそう思うのかも知れない。
主人公のアニェラを演じるダヌタ・シャフラルスカは、撮影時91歳。1927年に初舞台を踏み、第二次大戦後初のポーランドの長編映画「禁じられた歌(Zakazane piosenki)」(47)に出演するなど芸歴は83年に及び、95歳になる現在も舞台女優として現役を続けているポーランドの伝説的名女優。
なのだそうである95歳で現役舞台女優なんてすごいなぁ…と思う。
そして、忘れてはいけないのが愛くるしい表情でダヌタと息の合った名演技を披露する愛犬役のフィラデルフィア。メス犬役を演じたオス犬の彼は、グディニャ・ポーランド映画祭で特別賞を受賞しました。
愛犬「フィラ」とてもかわいかった。
映画の中ではメス犬なのかなぁと思っていたが、役だったんだ、すごい!!
ディーディーもあんな芝居が出来るといいなぁ。
と思いながら、「うっ。」と言って、苦しむまねをしてみる。
ディーディーは靴下を探しに行って、見つけるとしっぽを振って寄ってきた。
だめだこりゃ!!
映画が終わってから駅の方へ出かける。
ヤマハへ寄ってから駅ビルをフラフラ。
「お昼ご飯はいつもと違うところで食べたいなぁ。」と思って、地下で食べたのだが、失敗したぁ・・・。
おいしくない…という感じなら良いのだが、マズイという感じ。
お店に入ってコーヒーを飲んだ時にそう思ってしまった。
ヤマナカで売っているパックコーヒーの味だった。
次回はおいしいものを食べたい・・・トホホ。
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